今回は「労災かも?でも病院で言えなかった…後から申請しても大丈夫?手続きの注意点と体験談」を説明します。
仕事中にケガをしてしまい病院に行ったものの、「どうせすぐ治るだろう…」と思って通常の保険で治療を受けてしまったという経験はありませんか?
この記事では、そんな方に向けて労災と言えなかった場合に後から労災申請する際の注意点、会社での対応などを解説していきます。
私の体験談も交えながら、わかりやすくご説明しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 労災を隠すとどうなるか?後からでも申請したほうがいい理由
- 後から労災申請をする場合でも早く動いたほうがいい理由
- 後から労災申請をする際の注意点
なぜ労災だと言えなかったのか?
病院や会社で労災があったことを言えなかった理由は、人それぞれだと思います。
- 時間が経てばすぐに治ると思った
- 会社に迷惑をかけたくないと思った
- 仕事に支障が出そうで怖かった
- 労災申請の手続きが面倒だと感じた
など、様々な理由が考えられます。
私の場合は業務中に手をケガして痛みが強かったのですが「しばらくすれば治るだろう」と思って普通に病院を受診してしまいました(ずっと自腹で通院し続けた)

また、「上司に報告したら面倒なことになるだろう」と思い込んで誰にも相談せずに一人で抱えていました。
2週間経っても1ヶ月経ってもケガが一向に治らず、これはマズい!と思うようになり2ヶ月遅れで上司に報告しました。当然、管理問題になるということで上司にはひどく注意されましたし、会社では社長まで直ぐに連絡が行き大事になりました。
このように迷惑をかけず一人で片付けよう!と思っても、結果的に多くの人に迷惑をかけることになってしまいます。

だから何があっても労災があったら会社に報告しなければいけません。
会社全体に迷惑をかけることになるし「労災かくし」という犯罪行為になってしまうからです。
業務中や通勤中のケガであれば、腰痛や腱鞘炎、捻挫でも労災になります。
少しでも不安なことがあれば必ず上司、労務担当者に相談するようにしてください!
後から労災申請をすることは可能!でも早めがいい理由
いろいろな理由があって労災だと言えなかった…でも労災申請をしたい!
でも時間が経ってしまったから申請できるのか不安だ!そんなことありますよね?
でも大丈夫!後からでも労災申請は可能です。ただし、早めの対応が望ましいです。その理由は2つです。
後から労災申請をする場合でも早めに動いたほうがいい理由1つ目は「ケガと仕事との因果関係の証明が難しくなるから」です。
というのも労災申請は具体性と客観性が大事です。
「いつ、どこで、どのような作業をしているときに、どのような環境で、どのような災害が発生したか」といった詳細を主張できないと申請自体が通りません(嘘を書く人を防ぐためです)

例えば1年前のケガを会社に黙って通院をし続けた場合、記憶が曖昧になる可能性がありますよね?
他に作業していた人がいたとしても1年前のことなんかすっかり忘れています。
なので第三者的にも本当に労災が起こったのかが判断できません。
なのでなるべく早く上司や労務担当者に相談をして手続きしましょう!

通院記録や会社での作業記録データを持っていると説明しやすいです。
後から労災申請をする場合でも早めに動いたほうがいい理由2つ目は「給付金受給までの期間が長くなるから」です。

初診で労災じゃないと言ってしまうと、とにかく「健康保険から労災保険の切り替え」に時間がかかります。というのも切り替えには以下の面倒くさいプロセスが必要なんです↓
- 病院に行き、やっぱり労災だったことを伝える
- 健康保険組合に連絡して健康保険で支払った金額を立替え
- 労災の申請用紙を記載、支払った領収書を併せて労働基準監督署に提出
- 労災認定されれば立替え分の払い戻し(結果が出るまで2ヶ月)
まずは病院に労災だったことを伝えます。これにより次回以降の通院費用は発生しません。
労災と言わずに通院し続けた場合、健康保険組合はこれまでの通院費7割分を負担しています。健康保険は労災では使えないので負担した7割分を一旦個人で立替えないといけません。(結構高額…)
次に労働基準監督署に申請用紙とこれまでに病院や薬局で支払った領収書を持っていきます。

私の場合、領収書を全部捨てていたので健康保険組合に連絡して対処してもらいました。手続きに3ヶ月もかかりました。
更に申請を提出してから労災認定されるまで約2ヶ月でやっと全額が払い戻されます。
私の場合、給付金を受け取るまでに半年近くかかりました。

金銭的にも精神的にも不安が強くなるので、なるべく早く申請しましょう。
後から労災申請をする際の注意点 3選
労災と気付かず、後から申請をするケースは少なくありません。
しかし、労災申請にはいくつかの注意点があるため、後悔しないように押さえておきましょう。
労災の申請には時効があり、申請できる期間が定められています。治療費や休業補償など、種類によって時効期間が異なるため、早めに申請することが大切です。
給付金 | 時効 |
---|---|
療養(補償)等給付 | 療養の費用を支出した日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年 |
休業(補償)等給付 | 賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年 |
障害(補償)等給付 | 傷病が治癒した日の翌日から5年 |
上表に給付金の一部を抜粋しましたが、通院費、休業補償などによって時効が異なります。
例えば療養(補償)等給付の場合、病院に行ってから2年経ってしてしまったら通院費がもらえなくなります。

心当たりがあればすぐに労災申請をしましょう!
前の章で「時間が経つほどケガと仕事との因果関係の証明が難しくなる」とありました。

労災申請は具体性と客観性が大事なので、作業記録、事故状況(いつ、どこで、誰とどんな作業していて…など)を説明できる同僚の証言など、証拠となるものをしっかりと集めましょう。
特に通院記録や会社での作業記録データ、病院の領収書などを持っていると会社に説明できるので労災申請がスムーズにできます。

私の場合、作業内容を上司にメールで報告するようにしていたので、証拠になりました…

会社への相談は、労災申請をスムーズに進める上で重要です。
会社は、労災に関する手続きや書類作成をサポートしてくれる可能性があります。
また、会社を通じて医師の診断書をスムーズに取得できる場合もあります。

労災を認めようとしない会社もあるため、労働基準監督署への相談も検討しましょう!
まとめ
今回は「労災かも?でも病院で言えなかった…後から申請しても大丈夫?手続きの注意点と体験談」ついて説明しました。
病院で労災であることを言えなかったとしても、あきらめる必要はありません。後からでも申請することは可能です。ただし、早めの対応と、しっかりと証拠を集めることが大切です。
・後から労災申請をすることは可能!でも早めがいい(時効もある)
・ケガと仕事との因果関係の証明ができるように証拠を集めは忘れずに
・労災申請をスムーズに進めるために会社、労働基準監督署に相談しよう
もし、同じような状況に陥ってしまった方がいれば、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
具体的な手続きについては、最寄りの労働基準監督署にご相談ください。

以上、こたろーでした。