【AutoCAD中級者向け】ダイナミックブロックの可視性をわかりやすく解説

この記事の難易度

AutoCADでブロックを使っていて、1つのブロックで部品やシンボルを切り替えられればなぁと思うときってありますよね?

1つのブロックで図面を切り替えたいのなら「ダイナミックブロックの可視性」を使用するのがおすすめです。

可視性を使った図面の標準化ができれば工数が削減できて業務効率が上がります

そこで、今回はAutoCAD初心者から中級者向けにダイナミックブロックの可視性について解説します!また、可視性を使って「選択した規格のボルト図面を表示する」成果物を作ります。

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ダイナミックブロック 可視性について

可視性ブロック上で図面の切り替えができるアクションです。図面の寸法に変化がないようなシンボルだったり、部品を可視性でまとめてあげればユーザーが毎回作図しなくてよくなるので業務効率が上がります!

ダイナミックブロックの中でも非常に身近に使えるアクションなので押さえておきましょう!

可視性:成果物イメージ

こちらが今回の記事での最終的な成果物になります。

ボルトのブロックに可視性を追加して選択した規格の図面を表示できるようにすることが今回のゴールです。

それでは記事の内容に沿って一緒に作り上げていきましょう。

ダイナミックブロックに可視性を追加

ボルトのブロックを作る

まずは成果物作成のためにボルトの図面を用意します。今回はM5、M6、M8の3種類の図面を使います。

ボルトの図面がない方はこちらのリンクからダウンロードをお願いします。

M5ボルトを線分からブロックに変換します。

M5ボルトを選択して、コマンドラインから「COPYBASE」を入力して基点を選択します。次に「PASTEBLOCK」を入力して貼り付けます。

ブロックの作り方がわからない方は「ダイナミックブロックの特徴を分かりやすく解説」を参照してください。

ブロックに可視性を入れる

作成したM5ボルトをブロックエディタから開いて可視性を入れます。

M5ボルトブロックを選択して、右クリック>ブロックエディタをクリックします。

ブロックエディタが立ち上がったので可視性を入れ込みます。

①ブロックオーサリングパレットから、パラメータ>可視性を選択します。

②可視性を入れる位置を設定します。

ブロック上に可視性1というパラメータが作られました。可視性1をダブルクリックして設定します。

可視性の状態という画面が立ち上がりました。

現在の名前が「可視性の状態0」になっているので名前変更で状態名を変更します。今回はM5という名前にしました。

変更できたらOKをクリックしましょう。

ブロックをテスト

作成したブロックをテストします。リボンから、ブロックエディタ>ブロックをテストをクリックします。

テストウィンドウが立ち上がりました。可視性で設定した点に▼マークが表示されます。クリックするとM5が表示されました。

可視性に図面を足していくことで、切り替えができるようになります。M6、M8も同様にして加えていきます!

その前にブロックに名前を付けて保存します。

リボンからブロックエディタ>開く/保存>ブロックに名前を付けて保存をクリックします。

ブロック名を設定して保存をクリックします。今回は「ボルト可視性」としました。

可視性で図面を追加する

同様にしてM6、M8を可視性で追加していきます。

M6をダイナミックブロックの中に入れたいので、図面をコピーします。

ボルト可視性ブロックをブロックエディタで開いて可視性1をダブルクリックします。

可視性の状態画面が開きました。図面を追加したいので、新規作成をクリックします。

M6を表示したいので、状態名を「M6」とします。

新規の状態に対する可視性オプションを「すべての既存オブジェクトを新しい状態で非表示」にしてOKをクリックします。

ブロックエディタに戻ると可視性の状態が選択できるようになります。

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M5を選択すると図面が表示されます。M6を選択するとM5ボルトが薄く表示されており、M6上では非表示になっています。

薄く表示されている線分を消してはいけない

M6の画面にM5ボルトが薄く表示されていますが、これを消したらどうなるでしょうか?

結論はM5ボルト図面も消えます。薄く表示されている図面は編集しないようにしましょう。

可視性の状態をM6にしてボルト図面を作図します。

ブロックをテスト

ブロックをテストするとM5の他にM6が増えます。また、M6を選択すると図面がM6ボルトに変更されます。

M8ボルトを追加

最後にM8ボルトを可視性に加えていきます。

可視性の状態名を「M8」として、新規の状態に対する可視性オプションを「すべての既存オブジェクトを新しい状態で非表示」にしてOKをクリックします。

可視性の状態をM8にしてM8ボルトを作図します。M5とM6が薄く表示されていますが、M8上では非表示です。

可視性の状態をM8にしてボルト図面を作図します。

ブロックをテスト

ブロックをテストするとM8が追加されて、選択した通りに図面が変更されました。大成功

(補足)可視モードについて

他の図面が邪魔!非表示にしたい

可視性の状態に項目が増えるほど薄く表示される図面が多くなってしまいます。

薄く表示されている図面を間違って編集してしまうと他の可視性の状態も変更されるので、非表示にしたいです。

その場合は可視性の状態の右横にある可視性モードアイコンダブルクリックします。

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すると他の可視性状態が非表示になって、現在の状態のみの図面が表示されます。

他の図面に影響を出さないために覚えておきましょう!

(追記)ダイナミックブロックに属性を追加

可視性の状態を属性に書き出すことで図面内の材料集計ができるようになります。更なる業務効率化につながるのでブロックに追加してみましょう!

属性についての詳しい説明は以下の記事をご覧ください。

【AutoCAD初心者、中級者向け】属性をわかりやすく解説 

属性に可視性情報を渡す

ブロックエディタ画面に移った後にリボンから、挿入>属性定義をクリックします。

属性定義画面が立ち上がりました。モードを非表示にして、名称を付けます。今回は「ボルトサイズ」としました。

次に、可視性を属性に反映させるために既定値の設定を行います。既定値欄よこのアイコンをクリックします。

フィールド画面が立ち上がりました。フィールド分類をクリックしてオブジェクトに変更します。

フィールド名を「ブロックのプレースホルダ」、ブロック参照のプロパティを「可視性1」にします。可視性1とは今回つくったダイナミックブロックのパラメータです。

完了したらOKをクリックします。

既定値が設定されたのでOKをクリックします。既定値に「VisibilityState」が入っていればOKです!

ブロックエディタ画面で属性の位置を指定します。完了したら保存してブロックエディタを閉じましょう。

ブロックのプロパティを確認すると「可視性1」の値と「ボルトサイズ」の値が一致していることがわかります。大成功

属性情報がブロックに反映されないなど不具合がある場合はこちらをご覧ください.。

まとめ

今回はAutoCADを使ってダイナミックブロックの「可視性について」説明しました。また、「選択した規格のボルト図面を表示する」成果物を作りました。

  • 可視性はブロック上で図面の切り替えができるアクション
  • 可視性を使ったシンボルや部品を作ると業務効率化になる
  • 可視モードを切り替えて作図しよう

可視性はブロック上で図面を切り替えて表示できるアクションです。

図面上で寸法が決まっているシンボル部品を可視性を使ってブロックをつくればユーザーが毎回作図しなくてよくなるので業務効率が上がります

可視性でブロックを作る際に、現在の可視性状態以外の図面を誤って変更すると、他の可視性状態も変更されるので注意しましょう。

誤操作がないように可視モードを切り替えて作図するようにしましょう!

可視性の操作は慣れるまでに時間がかかるかと思いますが業務効率化に直結するので、今回の記事を参考に何度も作図して体で覚えるようにしましょう!

以上、Kotaroでした。

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