この記事の難易度
AutoCADで作図情報を図面に書き出したり、情報をリンクさせたいときってありますよね?
作図業務を効率化したいのなら「属性」を使用して図面情報をリンクするのがおすすめです。
属性を使って図面の標準化ができれば業務効率が向上して時間を有効に使えます。
そこで、今回はAutoCAD初心者から中級者向けにAutoCADの「属性」について説明します!また、ダイナミックブロックに属性を埋め込んで「ボルトサイズと長さ」を表示する成果物を作ります。
AutoCAD 属性について
属性とはファイル、ブロック、手入力などの情報を図面内でリンクして表示させるための機能です。

図面情報で言うと、例えばこのファイル名を図面上に表示できます。
また、ブロックに属性を埋め込むこともでき、ブロックの長さや、規格など自動でリンクできます。
寸法を自動で変えられるようにすれば、ユーザーがいちいち書き直さなくてよくなるので効率化になります。
こちらが今回の記事での最終的な成果物になります。

前回の記事で作成したボルトのダイナミックブロックに属性を追加して属性情報(ボルトサイズと長さ)を図面内に表示させることが今回のゴールです。
前回の記事をまだご覧になっていない方はこちらを参照してください。

それでは記事の内容に沿って一緒に作り上げていきましょう。
ダイナミックブロックに属性を追加
ここでは、前回の記事で作成したボルトのブロックに「サイズ」と「長さ」属性を追加します。

前回作成したダイナミックブロックを選択します。右クリック>ブロックエディタを選択し、ブロックエディタを立ち上げます。

次にリボンから、挿入>属性定義をクリックします。
属性定義画面が立ち上がりました↓

表示モードの設定をします。今回は「位置を固定」のみチェックを付けてください。
名称を「サイズ」とし、最後に文字書式の設定をしてOKボタンを押します。

ブロックエディタに移動するので属性を挿入する位置をクリックします。
それでは先程作成したブロックを保存して動作を確認します。

リボンから、ブロックエディタ>開く/保存>ブロックに名前を付けて保存をクリックします。

ブロック名を付けて(今回はボルト属性)OKボタンをクリックします。

リボンから、挿入>挿入でブロックを選択します。

すると、作成したサイズ属性を入力するダイアログが立ち上がります。
今回はM12としました。
リボンから、表示>オブジェクトプロパティ管理をクリックするとプロパティ画面が立ち上がります↓

ブロックを選択してプロパティ欄を見ると、入力したM12が入力されています。
また、図面にも属性情報が反映されました。大成功!
次にボルト長さをリンクさせる「長さ」という属性を追加します。

「サイズ」属性のときと同じ手順で、ブロックエディタを立ち上げて、リボンから、挿入>属性定義をクリックします。
今回はブロックの長さを反映させるために既定値の設定を行います。既定値欄よこのアイコンをクリックします。
フィールド画面が立ち上がりました↓

フィールド分類をクリックしてオブジェクトに設定してください。

フィールド名を「ブロックのプレースホルダ」、ブロック参照のプロパティを「距離1」にします。
距離1とは前回つくったダイナミックブロックの直線パラメータのことです。
小数点精度を指定する場合は形式から設定してください。
完了したらOKをクリックします。

既定値が設定されたのでOKをクリックします。
属性定義を編集画面で既定に「UpdatedDistance」が入っていればOKです!
最後にブロックエディタ画面で属性の位置を指定します↓


リボンから、ブロックエディタ>ブロックをテストをクリックして確認します。

長さ属性の値が、距離1の値と一致しています!(上画像左)
次にボルト長さを変更してみます。(上画像右)
▼カーソルをクリックして長さ変更をしてみます。

プロパティ欄を確認すると距離1の値は20になっているのに、属性の値が反映されていません。

属性の値を更新するには再作図をする必要があります。
コマンドライン上で「REGEN」を入力しましょう(REでもOK)

再作図後は属性の値が反映されて、距離1と同じ長さになりました。大成功!
(補足)属性のよくあるつまづきポイント
私が1,2年目のときにダイナミックブロックで属性を使ってよくつまづいていたポイントをまとめます。
初心者の方は実践しながら設定していきましょう!
ダイナミックブロックに属性を追加したのにブロックに情報が反映されないときがあります。

「長さ」属性を追加したのにブロックを挿入しても反映されないことがあります。
これは作成したブロックが最新情報に同期されていないからです。
すでに挿入しているブロックを修正するとこの事象が発生します。
ここではそんなときの対処法を解説します。

同期するためにリボンから、挿入>属性管理をクリックします。

ブロック属性管理画面が開くのでブロックを選択よこのアイコンをクリック(上画像左)して、更新したいブロックを選択(上画像右)します。
ブロック選択後に属性の最新情報が出てきます↓
長さ属性を選択して同期をクリック、OKボタンを押しましょう。

同期をクリックすると属性が図面上に反映されますよ↓

属性の入ったブロックを図面に挿入したときに背景色が出て文字が認識できないことがあります↓
このままだと不格好なので背景色を消す方法を紹介します。


画面左上から、AutoCADアイコン>オプションをクリックします。

オプション画面から、基本設定を選択します。
フィールド項目から「フィールドの背景を表示」のチェックを外して適用をクリックして下さい。

するとブロックの背景色が消えました!
これで文字がはっきり読み取れます。
今回は属性の位置を固定しました。
ですが実際は属性の場所を移動させたり、非表示にしたいときがありますよね。
ここではそんなときの対処法を紹介します。

まず移動や非表示にしたい属性を選択して、プロパティ欄からその他の設定を行います。

属性文字の位置を動かしたい場合は「位置をロック」をいいえにします。

属性の位置が図面上で変更できるようになりました。大成功!
非表示にしたい場合は「非表示」をはいにします。
すると図面上で属性の値のみが非表示になります。
表示されませんが情報としては残っているので安心してください!
まとめ
今回は「AutoCADの属性について」説明しました。またダイナミックブロックで属性を使い「ボルトサイズと長さ」を表示する成果物を作りました。
- 属性はファイル、ブロックなどの情報をリンクさせる機能
- 属性での図面リンクにより業務効率化になる
- ブロックに属性が反映されていない場合は属性の同期を試そう
属性はファイルやブロックなどの情報を図面上に自動でリンクして反映させるものです。ブロックに属性を埋め込むこともでき、ブロックの長さや、規格などもリンクできます。
リンクできればユーザーがいちいち書き直さなくてよくなり業務効率化ができます。
既に図面に挿入されているブロックの属性を変更すると、最新情報に更新されないので属性の同期を試しましょう!
属性の操作は慣れるまでに時間がかかるかと思いますが、今回の記事を参考に何度も作図して体で覚えるようにしましょう!

以上、Kotaroでした。