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AutoCADでスプール(アイソメ)図を作図するときに「角度の計算が面倒…」「寸法線が斜めにならない!」 なんて悩みはありませんか?
この記事では、AutoCAD初心者の方でもスプール(アイソメ)図を効率的に作図できる方法を解説します。アイソメ平面モードや極トラッキングなどの機能に加え、 寸法線を綺麗に配置するテクニックもご紹介。
この記事を読めば、スプール(アイソメ)図の作図効率をあげられます!

初心者の方も簡単に作図できるので、最後までご覧ください!
スプール(アイソメ)図について
ここではスプール(アイソメ)図とはなにか?簡単に説明をします。

スプール(アイソメ)図とは立体的な配管や構造物を平面的に表現し、寸法や配置を視覚的に示すために使われる図のことです。
スプール(アイソメ)図は主に配管、機械設備などで使われ、設計や施工のときに役立ちます。

実際のスプール図のサンプルはこんな感じ↑
配管を線分で書いてバルブやフランジの位置、寸法などが入ってます。

スプール図を見れば、どの位置で施工すればいいかひと目で分かります!
AutoCADでのスプール(アイソメ)作図方法
ここではAutoCADを使ったスプール(アイソメ)図の作図方法をご紹介します。
まずは何も考えずにLINEコマンドで作成してみます。
コマンドラインから「LINEコマンド」を入力します。
このままだと線が斜めに引けないので30°の角度をつけます。
コマンドラインから「<30」とすると強制的に角度をつけて線が書けます。

このように角度を指定して線分を書けました↓

しかし、この方法だといちいち角度を指定するのは面倒だし非効率です…

別のやり方を考えましょう!
通常モード(直行投影)で作図するとスプール図を書くのは大変でしたね。
ですが、アイソメ平面モードで作図すると簡単です!
画面右下の「選択」と書かれたアイコンをクリックすると「左アイソメ平面」「上アイソメ平面」「右アイソメ平面」という選択肢が出てきます。
どれでもいいので選んでください(今回は上アイソメ平面としました。)
するとメッシュの形が斜めになっているのがわかると思います↓

この状態で「LINEコマンド」で線を書いてみてください。
すると斜めから見た状態で線分が引けるようになります。わざわざ角度指定しなくていいのでラクですね!

上アイソメ平面モードで直行モードがONになっていると平面上でしか線を引けません。
(高さ方向に線が引けないということ)
ですが、直行モードをOFFにすれば高さ方向の作図もできますよ!
直行モードだと90°が出るので便利ですが、45°エルボを作図するときもありますよね?
そんなときは極トラッキングをONにします。
画面右下の極トラッキングアイコンをONにして「15,30,45,60…」にするのがオススメです。

作図すると15°単位でスナップが効くので正確に簡単にできます↓

極トラッキングがONの状態ならすべての方向で作図できます。

極トラッキングを使うとより効率的です!
配管ラインやバルブ、フランジなどを作図したら最後に寸法線を入れます。
ところが、アイソメ平面モードでも寸法線は斜めになりません。
こんな感じでこんな感じで寸法線同士がぶつかってきれいじゃないです↓

そんなときは「DIMEDITコマンド」で寸法線の角度を設定をして、きれいに仕上げられます。
詳細に関しては過去の記事で紹介しているので以下リンクをご参照ください↓

これまでの内容を押さえればスプール図の作成は完璧です。
お疲れ様でした!
まとめ
今回は「【図解】AutoCAD初心者でも迷わない!スプール(アイソメ)図の効率的な作図方法」について説明しました。
・スプール(アイソメ)図は配管設計・施工に不可欠
・アイソメ平面モードと極トラッキングで効率的な作図が可能
・寸法線はDIMEDITコマンドで調整し、図面を美しく仕上げる
CADオペを始めたばかりのときは「アイソメ平面」のことを知らなかったので作図に時間がかかっていました(いちいち角度をつけて線を引いてた。)
この機能を知ったときは手間が省けるし正確に図面が書けて衝撃でした。
作図効率が劇的に上がるので是非お試しください!

以上、こたろーでした。