【AutoCADでP&ID 材料集計】バルブ編~①可視性でまとめる~

この記事の難易度

AutoCADを使ってP&ID図面からバルブ情報を集計したいと思ったことはありませんか?

そんなときはダイナミックブロックを使った材料集計がおすすめです。

調達のためのバルブ集計作業が自動化できれば設計工数を大幅に削減できて利益率が上がります

そこで今回はAutoCADでP&IDの材料集計をするための第一歩としてバルブを取り上げます。

設計工数を削減したいプラントエンジニア向けに可視性を使ってバルブ情報をまとめる方法について解説します。

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バルブシンボルに可視性を入れる

バルブの材料集計をするためにダイナミックブロックを作成します。

バルブは非常に種類が多いですが、よく使うバルブを10種類ピックアップしました。

バルブの種類ごとにダイナミックブロックを作ると、各バルブでブロックの設定が必要です。

また、修正がかかったときや図面を変更したい場合にもすべて変更直す必要があります。

そこで、労力を減らすために「可視性」を使ってひとつにまとめます

 

バルブをブロック化

COPYBASE, PASTEBLCOKコマンドでブロック化

まずは、線分で作成されているバルブをブロック化していきます。

ボールバルブの線分を選択して、コマンドラインから「COPYBASE」を入力して基準点をセンターに設定します。

コマンドラインから「PASTEBLOCK」を入力すると作成したブロックが挿入されます。

作成したブロックを選択してブロックエディタを開いて、可視性を追加します。

 

バルブを可視性でまとめる

可視性パラメータを配置

ブロックエディタを開いたらオーサリングパレットから、パラメータ>可視性を選択します。

可視性の位置を配置すると「可視性1」が表示されました。ダブルクリックをして中身を確認します。

名称を変更

可視性の状態から名前を変更します。今回は「ボールバルブ」としました。

可視性に「ボールバルブ」が設定されたので、他のバルブも追加していきます。

バルブを可視性へ追加

ダイナミックブロックで「可視性1をダブルクリックして可視性の状態へ移動し、「新規作成」を選択します。

可視性の状態を「ゲートバルブ」として、可視性オプションをすべての既存オブジェクトを新しい状態で非表示にしてOKをクリックします。

ゲートバルブを作図

ブロックエディタに戻ると可視性の状態が選択できるようになります。

「ゲートバルブ」を選択すると「ボールバルブ」が薄く表示されています。この状態でゲートバルブを作図しましょう。

薄く表示されている線分を消してはいけない

ゲートバルブ画面にボールバルブが薄く表示されています。これを消したらどうなるでしょうか?

結論はボールバルブ図面も消えます。薄く表示されている図面は編集しないようにします。

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薄く表示されている図面を非表示にするには?

薄く表示され可視性の状態の右横にある可視性モードアイコンダブルクリックします。

すると他の可視性状態が非表示になって、現在の状態のみの図面が表示されます。他の図面に影響が出ないように気を付けましょう。

 

ブロックをテスト

リボンから、ブロックエディタ>ブロックをテストでテストをします。

可視性ボタンを選択するとバルブを選択できるようになります。切り替えると図面が変更されました!

同様の操作をして他のバルブも追加していきます。

 

可視性状態を属性に追加

可視性の状態を属性に追加して材料集計ができるようにします。

タイプ属性を追加

ブロックエディタ画面を起動してリボンから、挿入>属性定義をクリックします。

属性定義画面が立ち上げたらモードを非表示にして、名称を付けます。今回は「TYPE」としました。

可視性の状態を反映させるために既定値の設定を行います。既定値欄よこのアイコンをクリックします。

フィールドの設定

フィールド画面が立ち上がりました。フィールド分類をクリックしてオブジェクトに変更します。

 

フィールド名を「ブロックのプレースホルダ」、ブロック参照のプロパティを「可視性1」にします。

 

既定値に「VisibilityState」が入りました。OKをクリックして、属性を図面に配置します。

今回はモードを非表示にしているので、どこに配置してもOKです。

 

ブロックをテスト

リボンから、ブロックエディタ>ブロックをテストでテストをします。

ブロックを選択してプロパティ欄を確認すると「可視性1」の値と「TYPE」の値が「ボールバルブ」で一致していることがわかります。大成功!

 

(補足)可視性と属性の値が一致しない場合

可視性の状態を切り替えた後にプロパティ欄を確認すると「可視性1」の値と「TYPE」の値が一致しないことがあります

値が一致しない場合は、再作図を行うことで問題解決できます

コマンドラインから「REGEN」コマンドを入力します(「RE」でもOKです。)

再度ブロックを選択してプロパティ欄を確認すると「可視性1」の値と「TYPE」の値が「バタフライバルブ」で一致していることがわかります。

もし属性の設定でわからないことがあれば、属性のよくあるつまづきポイントを確認してください。

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まとめ

今回はAutoCADでP&IDの材料集計をするための第一歩としてバルブを「可視性」を使ってまとめる方法を説明しました。また、可視性の情報を入れるための「属性」を作成しました。

  • バルブは非常に種類が多いので可視性を使ってシンボルを切り替える
  • シンボルをひとまとめにすることで修正箇所が減って業務効率化になる
  • 材料集計のために可視性の状態を属性に入れる(フィールドを使う)

バルブは数十種類あるので、ひとつひとつブロックを作成するのではなく「可視性」を使って切り替えられるようにしましょう。

バルブを後から追加したい場合や、書き出す情報を追加したい場合は、可視性でシンボルをひとまとめにすると修正するブロックは1つでよいです。

なので、ブロックを作成する手間(工数)を減らすために可視性を使いましょう

また、可視性の状態を属性に反映させるにはフィールドを使いましょう

今回はバルブの「種類」のみ属性に追加しました。

バルブの材料集計をするにはさらにサイズ」「材質」「接続」が必要です。次回の記事で追加方法をご紹介したいと思います。

以上、Kotaroでした。

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