3Dスキャンやレーザ測量を扱うときに欠かせない「点群データ」
機器ごとにオリジナルの拡張子(.zfs .fls .dp .e57 .las .laz など)があって、何が違うのか? メリット・デメリットは何なのか?分かりにくいのではないでしょうか。
この記事では、バイナリファイル形式に特化して、それぞれの特徴・用途・対応ソフトをわかりやすく整理します。InfiPoints、Cyclone、CloudCompareなどを使う方や、スキャナ別の出力形式を理解したい方に役立つ内容です。
- バイナリー形式とは何か?
- スキャナ別のバイナリファイルについて(
.zfs,.fls,.dpなど) - それぞれのメリット・デメリット
- おすすめの変換拡張子

点群処理の初心者の方向けに一覧でまとめました。
アスキー形式についても別の記事で紹介しているのでご覧ください!
👉️【完全ガイド】点群アスキーファイル形式の違いを徹底解説|txt・asc・xyz・pts・ptxの構造と使い分け
🔰 バイナリファイルとは?
バイナリ形式とは、データをテキストではなく数値(バイト)単位で保存する形式のことです。

アスキー形式(.txt .asc .xyz など)はメモ帳などで開いて内容を確認できますが、
バイナリ形式は人間が直接読むことができません。

一見扱いにくいなぁと思いますが、その代わりバイナリ形式には大きなメリットがあります👇
- データ容量が小さい
👉️ 同じ点群でも、アスキー形式の1/3〜1/10ほどに圧縮できる - 読み込みが高速
👉️ テキスト変換を挟まないため、プログラム内で直接扱える - 誤編集が防げる
👉️ 手動での改変が難しいため、データ破損のリスクが少ない

「メモ帳で開けない代わりに、ソフトでの動作は圧倒的に速い!」
というのがバイナリ形式の特徴です。
バイナリ形式の代表例と使われるスキャナ
ここでは、よく使われるレーザースキャナと、その出力形式を紹介します。
まずはドイツのZ+F社(Zoller+Fröhlich社)から出ているレーザーで計測したときのバイナリファイルです。

- 拡張子:
.zfs,.zfprj - 対応ソフト:Z+F LaserControl、InfiPoints、GalaxyEye、Cycloneなど
- 特徴:スキャンデータ+位置情報+カメラ画像をセットで保存
- 注意点:基本的に有料ソフトでしか開けない
👉️ 無料ソフトで開こうとすると、変換が必要
Z+Fのスキャナは精度が高く、設備計測やプラント計測に多く使われます。.zfs は1ショット単位、.zfprj はプロジェクト全体をまとめたファイルです。
CloudCompareなど無料で点群を閲覧できるソフトだと、zfsファイルは読み込めないので注意下さい!

目安ですが、.zfsだと1ファイル400~500MBくらいです。
アスキーに変換すると2GB近くに膨れ上がります…
次はアメリカのFARO社から出ているレーザーで計測したときのバイナリファイルです。

- 拡張子:
.fls,.flw - 対応ソフト:FARO SCENE、InfiPoints、GalaxyEye、Cyclone など
- 特徴:カラー情報やスキャナ位置も内部で保持
- 注意点:こちらも有料ソフトが基本
👉️無料で利用できるCloudCompareでは直接開けない
FAROスキャナも業界標準の一つで、建築現場などで広く利用されています。
ファイル容量は比較的小さく、バイナリならではの高速性があります。
zfsと同じく、CloudCompareなど無料で点群を閲覧できません!
最後はDPIというハンディ型レーザーで計測したときのバイナリファイルです。

- 拡張子:
.dp - 対応ソフト:CloudCompare(無料)、InfiPoints、GalaxyEye など
- 特徴:ハンディ型スキャナ用の軽量バイナリ形式
- 注意点:無料のCloudCompareで直接開ける点が魅力
DPIは屋内や狭い空間でのスキャンに便利で、取り回しやすいのが特徴です。
現場計測 ⇒ CloudCompareで確認、という流れがスムーズです。

.dpはCloudCompareでも読み込めます。
無料で使えるのでぜひご活用下さい!
変換時に使われるバイナリ形式(e57 / las / laz)
スキャナ独自形式以外にも、変換時によく使われる共通バイナリ形式があります。
まずは、ほとんどの点群処理ソフトで読み込めて比較的データの軽い.e57についてです。
- 拡張子:
.e57 - 対応ソフト:CloudCompare、ReCap、InfiPoints、Cycloneなど多数対応
- 特徴:メーカーを問わず使えるオープンフォーマット
- 注意点:複数スキャンデータを統合できる、メタ情報(カメラ位置など)も保存可能

個人的には「中立的な形式」として最も使いやすいのが.e57です。
次に紹介する.lasや.lazよりもデータは軽いですね!
最後はドローン計測でよく使われる.las / .lazについてです。

- 拡張子:
.las,.laz - 対応ソフト:CloudCompare、ReCap、ArcGIS、QGIS など
- 特徴:米国発のLAS形式(LiDAR標準)。.laz は圧縮版
- 用途:航空レーザー・地上LiDAR・ドローン計測など
👉️非常に高速で軽量です - 注意点:RGBや分類情報を持てるが、スキャナ姿勢は含まれない
.las は業界標準のLiDARフォーマットで、国土地理院のオープンデータでも多く採用されています。.laz は可逆圧縮版で、容量はさらに1/5ほどになります!

工場の周りや河川、森の状況を確認するときによく出てきます。
バイナリファイルの特徴を比較
最後にバイナリファイルの特徴、メリット・デメリットについて比較をします。
| 拡張子 | 主な機種 / 用途 | 特徴 | 対応ソフト | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| .zfs / .zfprj | Z+Fレーザー | 高精度スキャン・専用形式 | Z+F LaserControl, InfiPointsなど | 有料ソフトのみ |
| .fls | FAROレーザー | 高精度スキャン・専用形式 | SCENE, Cyclone, InfiPointsなど | 有料ソフトのみ |
| .dp | DPIハンディスキャナ | 軽量・簡易スキャン | CloudCompare, InfiPointsなど | 無料で閲覧可 |
| .e57 | 汎用オープン形式 | 高互換性・統合向け | CloudCompare, ReCapなど | 推奨フォーマット |
| .las / .laz | 航空LiDAR・ドローン | 軽量・高速・分類情報可 | ArcGIS, CloudCompareなど | lazは圧縮版 |
レーザー固有のバイナリファイルは専用のソフトでしか読み込めないのがほとんどです。
処理ソフトを有料のものを使わざるを得ないのがネックですね…
基本的にはレーザーごとの拡張子で点群を処理ソフトに取り込みます。
その後に位置合わせやノイズ除去などを行いましょう。
最後に汎用の処理ソフトでも読める形式にデータ変換するのがセオリーです。

私は、最終的にe57に変換することが多いです。
大抵の点群処理ソフトで開けて容量も抑えられるので!
| 項目 | バイナリ形式 | アスキー形式 |
|---|---|---|
| 読み込み速度 | ◎ 高速(直接読み込み可能) | △ テキスト変換で遅い |
| ファイル容量 | ◎ 小さい(アスキーの約1/4) | × 大きい |
| 可読性 | × メモ帳では見えない | ◎ 内容を直接確認できる |
| 編集のしやすさ | × 不可(ソフト必須) | ◎ 可能(テキスト編集可) |
| データ破損リスク | 低い | 高い(手動ミスあり) |
なによりもバイナリ形式はアスキーと比較してファイルが軽いです。
よくバイナリをアスキーに変換するのですが、アスキーにすると4倍に容量が膨らみます…
ただ、メモ帳で編集ができないので自作点群処理ソフトでバイナリファイルを読むのは難しいですね。

ファイルを多く読み込む場合はバイナリーがおすすめです。
数ファイルくらいならアスキーでもOK!
まとめ:速度と互換性を重視するならバイナリ形式
今回は、「【完全ガイド】点群 バイナリファイル形式の違いを徹底解説|zfs・fls・dp・e57・lasの特徴と使い分け」について紹介しました。
・.zfs / .fls:スキャナメーカー専用形式。精度が高いがソフト制限あり
・.dp:DPIレーザーの拡張子。 CloudCompareで確認できて手軽
・.e57/.las /.laz:変換用・共有用に最適。無料ソフトでも扱える
私は現場で.zfsや.flsでデータを取って、最終的に.e57や他のアスキーデータ(.ptxなど)に変換して他ソフトで使うことが多いです。
速度を重視するならバイナリ形式、互換性を重視するならアスキー形式がオススメです。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう!

以上、こたろーでした。
