2025年から基礎控除と給与所得控除が改正され、税金に大きな影響が出ます。
年収200万円以下の低所得層は大幅な控除額の引き上げにより、税負担が軽減されます。特に年収160万円以下であれば所得税はかからなくなります。
しかし、年収に応じて控除額が変動するようになったため注意が必要です(より複雑になりました。)
そこで本記事では、年収ごとの控除額の推移をグラフで分かりやすく示し、税金にどう影響するかを解説します。さらに2027年以降の基礎控除の減額についても説明します。

※2025年3月10日の情報です。情報変わり次第修正します。
- 2025年からの基礎控除と給与所得控除の具体的な変更点
- 年収に応じた控除額の変動と、それが税負担に与える影響
- 控除額と税金がどのように変化するかの具体的なイメージ
この記事の対象者:会社員(給与所得者)、103万円の壁がどう変わったか気になる人
2025年からの基礎控除について
2025年1月から基礎控除額が引き上げられることになりました。
低所得者・中所得者の税負担を軽減させるために、年収によって控除額が上乗せされます。
これまでと2025年以降の基礎控除額の変更点を以下の表にまとめます↓

2024年までは課税所得2400万円までであれば基礎控除は一律48万円でした。
ところが、2025年から年収に応じて段階的に変化します。
年収200万円までは95万円(47万円UP)、年収475万円までは88万円(40万円UP)⋯みたいな感じです。
ただこれは2025年から2年間の暫定措置です。
2027年以降は年収200~850万円の場合、基礎控除が下がるので注意しましょう!
年収475万円~2350万円までは一律58万円になります。

年収200万円までだと控除額デカいです!
年収ごと(3000万円まで)で基礎控除額の推移をグラフ化しました。
横軸に年収、縦軸に基礎控除額としています。
水色がこれまでのデータ、オレンジ色が2025年からのデータになります↓

このグラフを見ると年収が低い人ほど控除額が大きくなります。
それから年収500万円付近ではガクッと落ちるのがわかります。
また、2500万円を超えると何も変わりません。
(2350万円以上の場合は便宜上、年収ではなく課税所得としています。)
個人的には控除額がガタガタしていてシンプルじゃないなぁと思います。

これまで以上に制度が複雑になってる感じがします。
2025年からの給与所得控除について
2025年1月から低所得者向けに給与所得控除も引き上げられることになりました。
これまでと2025年以降の給与控除額の変更点を以下の表にまとめます↓

給与所得控除は表にあるように年収ごとに段階的に変化します。
2024年まで年収162.5万円、180万円で段階が区切られていました。
2025年からは給与所得控除は年収195万円までなら一律65万円に変更になりました。
ですが、それ以外の人は控除額に変更ありません。
年収ごと(3000万円まで)で給与所得控除額の推移を見てみましょう。
横軸に年収、縦軸に給与所得控除額としています。
水色がこれまでのデータ、オレンジ色が2025年からのデータになります↓

表の説明と同じですが、年収195万円以下の方は控除額が10万円上がります。
ですが、それ以外の方は全く増えません。(全体を底上げして欲しかった⋯)

給与所得控除には恒久的な措置なのでしばらくこのままになりそうです。
基礎控除+給与所得控除で比較
これまでに出てきた基礎控除と給与所得控除を足し合わせてグラフ化して考察します。
こちらのグラフは横軸に年収、縦軸に基礎控除と給与所得控除の合計としています。
水色がこれまでのデータ、オレンジ色が2025年からのデータです↓

このグラフを見ると年収200万円以下くらいの控除額がかなり大きいことがわかります。基礎控除も給与所得控除も低所得者層に多めに振られているからですね!
また、基礎控除額を年収別で段階的に上げているのでオレンジ色のグラフがガタガタです。
特に年収475万円付近でガクッと落ちていることがわかります。

年収の境目は公平じゃない気がする。
ここでは具体的な減税額について説明します。
基礎控除と給与所得控除の最低額がそれぞれ95万円と65万円でしたね。
なので合計すると年収160万円までは所得税はかかりません。
所得税は、これまでと2025年からの控除額の差に税率を掛けた値が減税額になります。

例えば2024年までは基礎控除と給与所得控除の合計が103万円でしたが、今回の改正で160万円になるので、差額が57万円になります。
この57万円に税率5%を掛けると減税額は28,500円になります!
先ほどのグラフで年収475万円付近で控除額がガクッと落ちていました。
これは基礎控除を年収ごとに段階的に調整しているのが原因です。

年収475万円以下だと基礎控除額は40万円でしたが、475万円を超えると控除額が20万円になってしまいます。
例えば年収475万円の人と475万1000円の人を考えてみましょう↓
(所得税率は10%と仮定します。)

年収475万円の方はこれまでの控除額より40万円増えます。
なので減税額を計算すると40万円 × 10% = 4万円です。
ところが年収475万1000円の方は控除額が20万円しか増えないので、減税額は20万円 × 10% = 2万円です。
なので壁を超えると減税額が2万円減りました。

もう少しなだらかに基礎控除を上げたほうが納得感あると思いました。
2027年からの基礎控除、給与所得控除について
先ほどまでの結果は2025年、2026年までの2年間の控除額について説明しました。
ところが2027年からは基礎控除が減額されます。
2027年からの基礎控除と給与所得控除を足し合わせてグラフ化して比較しましょう。
こちらのグラフは横軸に年収、縦軸に基礎控除と給与所得控除の合計としています。
オレンジ色が2025年、2026年のデータ、緑色が2027年からのデータです↓

このデータを見ると年収200万円以下の低所得層に関しては控除額は変化ないです。
ところが200万円 ~ 850万円の方は段階的に控除額が減ってしまいます。
特に年収200 ~ 475万円までの減少幅が多そうです…
オレンジ色のグラフと緑色のグラフの差に税率を掛けた分が増税になってしまうので2027年からは覚悟しましょう!
まとめ
今回は「2025年 基礎控除・給与所得控除改正で税金はどうなる?2027年以降の注意点も【年収別シミュレーション】」ついて説明しました。
・2025年1月から基礎控除は年収に応じて段階的に変動
‐年収200万円以下の層は基礎控除が大幅に引き上げられる
‐年収475万円付近で控除額が大きく減少するので注意!
・年収160万円以下の方は所得税がかからなくなる
・2027年以降は、年収200万円~850万円の層で基礎控除が段階的に減額される

以上、こたろーでした。